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Smart Life Project活動報告

2015年 9月10日

【JFEスチール(株)西日本製鉄所(倉敷地区)】生涯を通じて運動器の低下を防ぐロコモ予防 ~2つの職場体操と体力レベルの見える化~

ロコモを始めとする運動器に関する問題は、高齢者が要介護となる主要な原因である。健康寿命を延ばすためには若いうちからの運動器の機能向上が必要不可欠である。
H15年当センター設立当時、筋力低下が原因と推定される転倒災害や腰・膝痛等による休業が増加し、問題となっていた。そこで、対策として独自に開発した①2つの職場体操、②転倒や腰痛リスクを見る体力テスト、③疾病やケガによる体力低下者への回復支援を就労環境の中で行い、従業員の体力向上や転倒や腰・膝痛による休業の減少などの効果を得ている。
①職場体操:筋骨格系疾患の予防を目的とする「アクティブ体操®」partⅠ(6分)と、下肢の筋力や柔軟性、バランス能力を高め、転倒防止を目的とするpartⅡ(4分)を毎日、全従業員が実施している。体操は就業時間内に実施するため、毎日確実に10分間の運動を行うことができ、正しく実施することで、体力テストの結果の改善が確認されている。また、体操の正しい方法と継続のため、産業医巡視等で定期的に実施状況を確認している。
②体力テスト:運動器の機能低下による転倒や腰痛等のリスクの早期発見と改善のため、約5000人のデータを元に独自に開発した「安全体力®」機能テスト(8項目)を健康診断時に全従業員が実施している。
労働者の作業能力を測定できるツールは少ないが、当所では「安全体力®」機能テストによって従業員の体力を5段階で「見える化」している。
評価3以上を目標、評価2を要注意域としてリーフレットで運動指導、評価1・中止の場合は危険域として個別の運動指導を行い、再測定や産業位面談でフォローを行っている。
③回復支援:病気や怪我による休業後の再出勤時にも「安全体力®」機能テストを実施し、適正配置に活用している。
対象者の運動機能は予想以上に低下しており、本人や周囲が気づいていない運動器の現在の状態を「見える化」することで、慎重な行動、適切な職場での配慮、回復意欲などへ繋がり、将来の再発や後遺症の予防へ繋がっている。
運動指導は、就業時間の中で行っており、早期に確実に行えるためほとんどのケースで3週間から2ヶ月程度で安全なレベルまで回復し、元の作業に戻っている。
これらの取り組みにより、50歳以上の転倒は明らかに減少し、筋骨格系疾患の休業損失金額も設立当時より大幅に減少、その後も一定の成果を保っている。

【JFEスチール(株)西日本製鉄所(倉敷地区)】生涯を通じて運動器の低下を防ぐロコモ予防 ~2つの職場体操と体力レベルの見える化~
【JFEスチール(株)西日本製鉄所(倉敷地区)】生涯を通じて運動器の低下を防ぐロコモ予防 ~2つの職場体操と体力レベルの見える化~
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